年7回、森を楽しむイベント「もりさんぽ」
10月のもりさんぽは「森の恵みとアイヌの暮らし〜生活の中の唄と踊り〜」です。
旭川の川村カ子トアイヌ記念館・副館長の川村久恵さんを講師にお招きしました。
「ウポポ アン ロ!」
(歌いましょう!踊りましょう!)
の声でプログラムスタートです。
最初はことば遊びです。
タナタナ クニケ トーキカポ ソカポ
タルケ アーサラサラ ユクトマキューカ
アンパトパキューカ ナーフテ ナータランパ
チョーチョチョチョ (舌鳴らし)
お手本を聴かせていただきましたが、リズムや言葉の響きがとてもおもしろい!
特に最後の舌鳴らしは高度な技で、どうやっているのか頭の中が???
「タナタナ〜ナータランパ」までの10個の単語は、神様が飼っている犬の名前だそうです。
みんなで何度か口にして練習しました。
ことば遊びの動画はこちら
次にウコウク(輪唱)を教えていただきました。
3種類の曲があり、それぞれ歌詞や旋律が違います。
1つの曲のお手本を聴き、全員で合唱、その後3つのグループに分かれて輪唱をします。
どの曲も聞いていると、いつまでも耳に残る旋律です。
最後は3つの曲を順番に3回ずつ輪唱しました。
ウコウクの動画はこちら
きれいに輪唱できていて、すごいですね!
次は踊りです。
まずは「フプ タレ チュイ」(とどまつのおどり)
とどまつが強い風で激しく揺れている様子を表した踊りです。
川村さんからは「体力勝負」とのお言葉…これは気になります。
お手本で踊っていただきましたが、なるほど、想像以上に激しい動きです。
フプ タレ チュイの動画はこちら
踊り終わったらみなさん息切れをしていました。
次の踊りは「バッタキ ウポポ」
バッタの動きを真似た踊りです。
手を使ってバッタの手足を表現、輪になって前に進みながら踊ります。
バッタキ ウポポの動画はこちら
こちらは個性的なバッタがたくさんいました。
美桑が丘にいるバッタたちも、人間の足元で一緒に踊っていたかもしれませんね。
激しい踊りで体力を使ったので一度ベンチに座って、川村さんから色々なお話を伺いました。
唄は日常生活ではあまり歌わず、儀式のときに歌っていたそうです。
そのような大切な唄を教えていただけるとは、大変ありがたいことです。
お話しを伺ったあとは、「シト」(団子)づくりです。
シトはアイヌの方にとってはご馳走とのこと。
今回は団子の粉を使っていきます。
粉に少しの砂糖とぬるま湯を入れて生地を作ったら、いももちのような形にします。
それを鍋で茹で、茹で上がったら笹の茎に刺してたき火で炙っていただきます。
団子の味付けとして、オニグルミやきなこを用意しました。
また、「エント」(ナギナタコウジュ)をお茶にしました。
エントはシソ科の植物で、爽やかな香りがします。
団子もお茶も美味しくて、火を囲みながらのおやつタイムが盛り上がっていました。
おやつタイムのあとは大きな古時計「ポロ トケイ」をみんなで歌いました。
元々は英語の曲ですが、アイヌ語の歌詞がピッタリハマるというのは不思議な感じです。
ポロ トケイの動画はこちら
アイヌ語の音の響きがやさしくて、何だか心に沁みますね。
最後にバッタのポーズで集合写真
唄はアイヌ語の音の響きがやわらかく、聞いていると心地よくなってきます。
また、踊りはとどまつやバッタなどの身近な植物や動物がモチーフになっていて、振り付けを見ていると本物ととても似ているなと思いました。
参加者のみなさんが楽しく笑顔で歌ったり踊ったり、つながりが生まれていて唄や踊りの不思議な力を感じました。
講師の川村さん、参加者のみなさん、ありがとうございました!
(ながお)