自然を楽しむことはもちろん、木材やエッセンシャルオイルなどが生まれた森のなかで、それらが実際に生まれる過程を体験してみませんか。

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町まで歩いて10分、みくわヶ丘の森まで5分。キッチンで自炊ができ、色々な設備も整っている独立したコテージなので、1泊でも長期でも、周りを気にせずゆっくりと過ごせます。

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顔の見える「野菜」があるように、顔の見える「木材」があってもいい。
顔の見える範囲で、有効活用されていなかった下川産広葉樹の活用に取り組んでいます。「しもかわ広葉樹」の産地直売所として、乾燥済み木材と、オーダーメイド天板をお届けしています。

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4/19 森のあそび「春のさんぽ」を実施しました!

森の生活では、幼・小・中・高校ごとに15年一貫の森林環境教育を、教育委員会や学校・保育施設と連携して2009年から実施し...

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森の生活だより

9/1 小学校6年生の森林環境教育を実施しました!

今年度の小学校6年生は総合学習全体で「下川を住みやすくし隊」というテーマのもと、福祉・森林学習・持続可能な社会と生活という大まかに3つの視点から住みやすい下川の町について考えていきます。

そのうちの森林学習では「気候変動と森林」というテーマでプログラムを展開しました。

【事前学習】

まずはみんなが考える住みやすい下川の町を考えて発表してもらいました。

このみんなが考えた住みやすい下川の町を実現するために指針となるのがSDGsです。
SDGsは世界的なものですが、下川町ではそのSDGsを元に「2030年下川町のありたい姿」という7つのゴールを設定しています。

今回は森林学習ということで環境の視点から住みやすい下川の町について考えていきます。

まずは現状を知るところから。

世界では今、地球温暖化や気候変動の問題が叫ばれています。
餌であるアザラシを食べられなくなり餓死していくシロクマ
海面上昇により住む場所を失う人々
異常気象による干ばつ・・・

このまま地球温暖化が進むと2100年には気温が4.8℃上昇すると言われています。
最近の日本では集中豪雨による土砂崩れが起きたり、河川の堤防が決壊し水没する地域が出てきています。

世界や日本はどうなるのか、YouTubeの「2100年未来の天気予報」を観てから、気候変動について感じたことをワークシートに書いてもらいました。

今年の夏は下川でも最高気温の記録を更新し37.3℃まで上がったり、雨がずっと降らなかったりと気候変動を実感するようなできごとがありました。

そんな地球を取り巻く気候変動に対して、下川の町ではどのような対策をしているのでしょうか。

下川町の取組みとして木質バイオマスボイラーの設置をしたり、循環型森林経営で木を植えたり、他にも町内では松岡牧場のバイオガスプラントや北海道バイオマスエネルギー株式会社の木質バイオマス発電、サンルダムの水力発電、スズキ自動車のCO2排出削減目標のお話を聞きました。

さらに自分たちの暮らしの中ではどのような場面でCO2を排出しているかとCO2を排出しないためにはどのようなことができるかを考えました。

 

【現地学習】

事前学習で世界→日本→下川の町の対策→個人の暮らしでは・・・というように地球温暖化について学びましたが、現地学習では下川町民の方は暮らしの中で実際にどのような地球温暖化対策をしているのかを聞きにいきます。

住みやすい下川の町という理想を叶えるための考え方として、まずは①理想と②現状があります。
③理想と現状の差が課題であり、④課題の解決策の提案という風に考えていきます。

今回の現地学習ではその考え方をもとに、ゲストの方の考える
①住みやすい下川の町(理想)
②下川の町の課題
③その課題を解決するために今していること
④みんなへのメッセージ
という順でお話を伺いました。

 

まず一人目はドサンコを飼っている小峰さんです。
当初は小峰さん宅でお話を伺う予定でしたが、天候が不安定だったため急きょ小学校前にハナちゃんとともに来ていただきました。

小峰さんの考える住みやすい下川の町(理想)は「みんなで分け与えあい、支え合って日々の暮らしを楽しみながらつながりあって暮らせる町」ということでした。

下川の町の課題は「森林と生活空間が分かれていること」「下川町の馬文化が消えようとしていること」とのこと。

その課題を解決するために今していることは「6年前から町内で馬を生かした暮らしに取り組んでいる」
その理由は馬とともに人が生きることで人間社会が抱えるさまざまな課題を解決できる可能性があり、心も豊かになり、地球に優しい暮らしが実現できると思っているから、とのことでした。

小峰さんはみくわが丘でハナちゃんを放牧して笹刈りをしたり、ハナちゃんに触れ合う機会を作ったり、森林と生活空間を繋ぐ活動をされています。

みんなへのメッセージとして「みなさんが将来、都会で暮らすことがあって道に迷ったとき、暮らしに必要なものがなんでもある下川町の便利な豊かな暮らしがあることを思い出してくれたら嬉しく思う。」と熱く語っていただきました。

最後はハナちゃんとのふれあいタイムをして、お礼を伝えました。

 

2人目のゲストは自転車のある生活をしている普久原さんです。

普久原さんの考える住みやすい下川の町(理想)は「世界に困っている人がいるのに便利な生活をしているのは理想ではない。世界の中で自分たちは生きている。世界は繋がっていることを感じながら生活する人が増えてほしい」ということでした。

課題は「大きな問題を解決するのは難しい。まずは身近なことからやる。自分たちの使うエネルギーや食べ物は自分たちのまちで作るなど」とのこと。

その課題を解決するために今していることは「食べものは自分で作っている。移動には自転車を使っている(ガソリンがいらない)、家の電気はソーラーパネルで賄っている、自転車仲間とポタリングに行ったり、楽しくやろうと思っている」などと教えていただきました。

みんなへのメッセージとして「このままだと持続可能ではない。みんなは厳しい時代を生きていく。みんなの次の世代が喜べるように頑張って欲しい。」とエールをいただきました。

 

3人目は暮らしの中でできる工夫として瀬川さんにお話を伺いました。

瀬川さんの考える住みやすい下川の町(理想)は「ひとりひとりが楽しく暮らせる町」とのこと。
楽しくというのは自分が笑顔、家族が笑顔、町のみんなが笑顔、世界が笑顔になることです。

課題については「つながった相手のこと、手に取ったモノの背景を想像できてる?」と問いかけがありました。

その課題を解決するために今していることは「誰にでもできることです」「買い物に行った時にアイスを買う。植物油脂が使われているものと使われてないもの、どちらを選ぶ?」「ポテトチップスは?手を洗うせっけんは?買い物袋は?」どちらを選ぶかな?と続きます。

瀬川さんはボルネオ島に行き、そこでパーム油を生産するためのアブラヤシの農園を見てきた経験があります。
アブラヤシを栽培するために熱帯雨林が減少していること、その熱帯雨林に生息している動物のこと、現地の人々の暮らしなどについてスライドを用いて説明してくださいました。

日々の暮らしの中で消費する食べ物や衣服、エネルギーなどは環境に配慮した製品があること、そしてそれらを選ぶ時に自分の選んだモノで変わることがある、ということを教えていただきました。

みんなへのメッセージとして「あなたにもできます!誰かの笑顔を想像して選ぶこと、モノの背景を想像して選ぶこと。」というお言葉をいただきました。

3名の方々のお話はここには書ききれないぐらいの熱い思いが溢れていました。

 

【事後学習】

事後学習ではまとめとして、改めて住みやすい下川の町というのはどういう町なのかを考えていきます。

まずはワークシートに自分の意見を言葉や絵で書き出します。

そして全体発表では「家をグリーンカーテンで覆う」「空気中の窒素をエネルギーに変換する」「CO2を吸う装置を開発する」「一家に一台太陽光パネルを設置する」「古くからの文化も最新の技術も大切に」など自分が考えたこと、現地学習でゲストの方に聞いたお話の中で共感したものなど、たくさんの意見が出てきました。

出てきた意見のキーワードとそのイメージを一枚の模造紙にまとめました。

この授業をきっかけに環境や未来のことを思い、どんなに小さなことでもいいので自分には何ができるかを考えてそれを実際に行動に移してくれたらと嬉しいなと思いました。

(ながお)