3月15-16日の2日間、三井不動産グループの「北海道下川町研修〜SDGs未来都市の今を知り、考える〜」の下川町でのプログラムの企画運営をさせていただきました。
三井不動産グループは北海道に約5,000haの社有林を有し、「終わらない森づくり」を掲げ、「植える→育てる→使う」の循環の創造に取り組まれています。また、下川町と、持続可能な地域社会創造を目指した包括連携協定を結んでいます。
今回、社員のみなさん13名が下川を訪れ、下川での林業・林産業、そしてエネルギー自給の取り組みを見学・体験されて、下川での経済と社会と環境を統合的に解決していくSDGsの取り組みに理解を深めていただきました!
<1日目>
お昼に下川に到着後、今春稼働予定の「北海道バイオマスエネルギー株式会社」の木質バイオマス発電所の見学を行いました。
その後、毎年夏に行われているイベント「&EARTH DAY」で使用されている、社有林から切り出された間伐材でつくった木製遊具を製造している企業「下川フォレストファミリー」を見学しました。
内装用のフローリングや造作用集成材も製造しているこの工場では、現在建設中の同社の新社屋で使用される一部のテーブルの天板に使われるトドマツ集成材の製造も担当させていただいています。
もちろん、このトドマツも、社有林の間伐材が使用されます。
工場で実際に木材が加工されているのを見学した後は、スノーシューでの森歩き。
森林のもつ多面的機能について確認した後、天然林と針葉樹の違い、間伐をした森林としていない森林の様子の違いなどを見て、木材1本の価格を計算しました。
最後は、実際に間伐の体験も!
間伐とは言え、長い年月をかけて育った樹木が倒れる瞬間は圧巻でした。
植樹の経験はあっても、間伐の体験は初めての方が多く、とても印象に残ったご様子でした。
この日は、森づくりから実際に木材の加工まで、「植える→育てる→使う」のつながりを半日で体感しました。
<2日目>
朝は下川の「ゼロエミッションの木材加工」発祥の地でもある下川町森林組合北町工場を見学。
炭づくりの過程や
トドマツのエッセンシャルオイルの工場などを見学。
どれも、木を無駄にせず、できるだけ価値をつけたいという想いから始まった事業です。
その後、木質バイオマスエネルギーを起点に暮らしづくりと産業づくりを学ぶことのできるコンパクトなモデル地区でもある「一の橋バイオビレッジ」を見学。
熱供給を、集住化住宅の居室だけでなく、シイタケ栽培用ハウスの熱としても利用しており、ここでも、産業と経済と環境の統合的な解決のモデルについて理解を深めていただきました。
下川でのプログラムは以上でした。
半日×2日間の短い時間ではありましたが、とっても密度の濃い時間となりました。
皆さん終始積極的にご質問いただいたり、体験いただいたりと、熱心さが伝わってきました。
お帰りになった後も何人かの方からはご丁寧にお便りをいただき、心を込めてご訪問いただけたことを本当にありがたく思いました。
今回の研修の全体コーディネートは(株)H.I.S.さんが務められました。
H.I.S.さんと三井不動産グループさんとのご縁も、実は下川町にお越しになられたことがきっかけで生まれたつながり。
SDGsは多くの人たちをつなげることを、こんなところでも実感しました。
今後とも、相互理解を深めながら、持続可能な森づくりとまちづくりを進めていくうえで密に連携していきたいと、改めて感じた2日間でした!
名寄新聞(2019年3月26日)に掲載されました。 ※クリックすると拡大されます。
北海道新聞(2019年4月4日)に掲載されました。 ※クリックすると拡大されます。
麻生 翼 (あそう つばさ)
愛知県名古屋市出身。大学時代に訪れた北海道の農山村に魅せられ、気づけば下川に流れ着いていました。下川は個性豊かな人々が多くとても面白い町です。のんびり田舎暮らしはどこへやら…な日々ですが、たまの休日は山菜採ったり渓流釣りしたり、ときどき狩猟したり、森の生活を満喫しています。代表です。