自然を楽しむことはもちろん、木材やエッセンシャルオイルなどが生まれた森のなかで、それらが実際に生まれる過程を体験してみませんか。

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町まで歩いて10分、みくわヶ丘の森まで5分。キッチンで自炊ができ、色々な設備も整っている独立したコテージなので、1泊でも長期でも、周りを気にせずゆっくりと過ごせます。

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顔の見える「野菜」があるように、顔の見える「木材」があってもいい。
顔の見える範囲で、有効活用されていなかった下川産広葉樹の活用に取り組んでいます。「しもかわ広葉樹」の産地直売所として、乾燥済み木材と、オーダーメイド天板をお届けしています。

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下川町の森林環境教育〜2023年度の活動まとめ〜

下川町には、認定子ども園、小学校、中学校、商業高校が1校ずつあり、子どもたちが地元の森林の価値について理解を深められるよ...

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森の生活だより

9/6 北大森林科学科森林保全実習でした!

9月6日(火)は北海道大学森林科学科3年生の皆さんの森林保全実習で下川をフィールドに選んでいただき、
社会科学の面から、下川の森と人の関係について学んでいただくプログラムを1日かけて提供させていただきました。

レトロでかわいい北大雨竜研究林のバスでご来町。

まずは下川町の森林の概要や、下川町の森とともにあゆんできた歴史、そして現在、森林をどのように活用しているのかということについて、下川町役場の農林課森づくり専門員の斎藤さんからレクチャーいただきました。

下川町は、台風による風倒被害や市町村合併問題にさらされながら、「伐っては植える」循環型森林経営や、様々な林産物の生産、そして最近ではエネルギーとしての利用や、カーボンオフセットによるクレジットの販売など、様々な面で森を価値化しています。

そして、2005年に森の生活を立ち上げ、今は次の世代にバトンタッチした奈須さんに、学生時代から下川に至るまでの経緯、それまでにどのようなことを考え、経験し、森の生活を立ち上げたのか。そして、森の生活を継承した後のお話を伺いました。

奈須さんから、環境問題や町の歴史という大きな時代の流れの中にある、個人史的な物語(ナラティブストーリー)が大切であるというメッセージもいただき、俯瞰的な視点と足元の経験が交差する、とても密度の高い時間になりました。

その後、斎藤さん、奈須さんにもアテンドいただき、町有林の施業の現場へ。

現場での話は刺激的で、学生のみなさんからも活発な質問が続きました。

その後、今回の研修の拠点であるコモレビに戻り、今回引率された北海道大学森林科学科森林政策学研究室の柿澤教授にサプライズプレゼント!

じつはわたくし麻生と奈須さんは、ともに柿澤先生のもとで学ばせていただいた同窓生なのです。
今年度を最後に退官される柿澤先生に、森の生活で供給している下川町産広葉樹を使って、町内の木工作家「森のキツネ」さんが制作された作品をプレゼントしました。
柿澤先生、長いあいだ本当にお疲れ様でした!

その後は、お弁当タイム。
いつも研修で利用させていただいているケータのケータリングのお弁当は品目も多くて大満足です。
学生のみなさんも口々に美味しい〜と大評判でした。

午後の部は、午前中に言った町有林の現場とは真逆で、林業の対象地ではなく、住民の人たちが利用する森「美桑が丘」のフィールド見学です。

現在は森の生活が指定管理者として管理運営する美桑が丘を町が取得するに至った経緯や、現在の運営のしくみを簡単に解説させていただいた後、

実際に現場を見ていただきました。
現在さまざまなグループが活動を行なっている美桑が丘では、畑づくりがあったり、
ホップの試験栽培があったり

シイタケのほだ木があったり

焚き火の東屋やパイプハウスをみんなでたてていたり

10年前は濃いクマザサで覆われていた林内がには散策路や広場ができ、次の世代の実生(木の赤ん坊)も更新していたり

といったように、様々な森との関わりを感じていただきました。

その後、コモレビに戻ってきて最後のプログラム。

自然の中での自主保育の活動をしている「森のようちえん カカラ」の多田はるひさんからは、移住後からカカラの活動を始め、様々な人とのつながりの中で活動を行なっているお話をいただき、

「ケータのケータリング」の矢内啓太さんからは、下川出身の矢内さんの、生い立ちから現在に至るまで、そして地元出身ならではの視点からも、下川の町づくりについて語っていただきました。

ふだん身近にいる我々も、聞き入ってしまいました。。
学生の皆さんからも、ふだんなかなか聞くことのできない話に、またまた活発に質問をいただきました。

最後は、学生のみなさんと1日の中で感じたことのふりかえり。
様々な感想をいただきました。一部をご紹介・・・。

「お話を伺った皆さんが、下川町や、下川町の林業や森などについてすごく真剣に考えていらっしゃっていて、それがすごいことだと思いました。自分に置き換えてみると、私は自分の地元の歴史や産業についてほとんど知らないなあと気が付きました。自分の住んでいる地域について学ぶこと、その地域を大切に思えるようになることが、地域を盛り上げていくことの基盤にあるように思いました。」
「一口に森林との関わりといっても、木材生産から公共事業、更には人との関わりの場といった様々な捉え方があり、どの側面を活かすかによってアプローチが変わることに気づいた。何を企画するにしても、目的意識を持って動く必要性があるなと感じた。」
「地域の中で資源、お金を回す仕組み、取り組みが実施されていること。森林だけでなくやないさんの活動を聞いて他の事業でも共通認識があることが印象的だった。移住者に対して、新たな取り組みに対して応援する文化があること(特に高齢者)、先人による仕組みがあることが下川町が盛んなことのポイントになっていると感じた。」
「昨日は研究林を見ました。今日見た森は昨日の森とは全く違っていて、関わる人による森の違いを改めて感じました。また、下川は独特な歴史と環境をもっていると思いました。下川とは環境の違う他の地域では、どのような取り組みができるのか、考えてみたいとおもいました。」
「オープンチャットやアンケートのQRコードなど、システムがしっかりしていてやりやすかった。質問タイムのときも関連するサイトやスライドを見せて頂いたので理解が深まった。」
「地域の人たちの声をよく反映できるように工夫されているのが素敵だと思いました。特に、美桑が丘をどう利用していくか、どのような空間にしていくのかについて、完成系に至るまでの時間制限を設けていない点が印象に残りました。新しい事を小さい規模から試してみて、次の姿を模索するという方法もとても魅力的だと思いました。このような方法は、町おこしをする上であらゆる他の事柄にも応用できそうだと思いました。」
「大学の講義として過疎地域の森林復興などを取り扱ったり、考え対策を立てたりもしたりしたが、実際にその地域に来て関係者のお話を聞くと、いかに自分の考えが甘かったか、難しいのか、ということをより強く感じた。また、改めてだが、林業に対する取り組みの奇抜さ、そして良く考えられた仕組みを聞いて、思考の柔軟性の重要さを感じた。今日の経験を今後の経験に役立てたいと思う。」

あっという間の1日でした。
学生のみなさんの今後に、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また下川に来てね〜!

(あそう)