東京海上日動保険(株)様の新入社員研修の受け入れ団体として、森林での活動のコーディネートを担当させていただきました。
同社の2018年度の新入社員さんは約600人弱。今年から、全国11地域に分かれて、現地での活動を通じて地方創生を学び、地方への理解を深めるプログラムを導入されています。
地方の現場を肌で体感する機会を、貴重な研修期間のうち4泊5日もお時間をとって取り組まれていることを、本当に素晴らしいことだなぁと思います。
全国のコーディネートを公益社団法人日本フィランソロピー協会様が担われており、専門のファシリテーター監修のプログラムのもと、森の生活が森林での活動のコーディネートを担当させていただきました。
1日目
はるばる下川まで到着された総勢44人の新入社員のみなさん。
九州エリアの社員さんということで、下川の寒さになかば驚きつつ、初日から活発に研修に取り組まれていました。
冒頭、森の生活の麻生がオリエンテーションを担当させていただき、
・下川町や地方の「課題」
・下川が取り組んできてた、そしてこれから取り組もうとしている「挑戦」
・下川で活動する「人」
・町を挙げて育み活かす「森」
の4つのテーマについて、お話をさせていただきました。
地方は課題先進地。だからこそ、課題「解決」先進地になるべく、様々な人々が、いろんなチャレンジをしていることを、お伝えしました。
続いて、人事研修。
専門のファシリテーターの方を交えた、対話を中心にしたプログラムです。
長旅のなか、本当にお疲れ様でした。
夕飯は、町内の飲食店で、地元で採れたフキやウドを使った夕食に舌鼓。
2日目
午前中は、下川のゼロエミッションの木材加工の視察です。
森の資源を余すことなく使い切るいろんな企業や取り組みを学びました。
下川町森林組合北町工場では、木炭や円柱材加工など
トドマツの枝葉からエッセンシャルオイルを生産するフプの森さん
フローリング・羽目板や造作用集成材を製造する下川フォレストファミリーさん
そして、木質バイオマスボイラーと、燃料となる木くずを製造する木質原料供給施設。
午後からは、森林の作業です。
町有林の管理を担当する役場の方にご説明いただいてから、枝打ちを行いました。
残雪の森を歩く歩く。
はじめはなれない手つきでしたが、だんだんと上達していきました。
手のこを使った裾払いチームと、
長柄のこを使った枝払いチーム。
一次産業である森づくりと、二次産業である木材加工の両方に理解を深める、濃い1日となりました。
3日目
昨日に引き続き、裾払いと、枝払い。
昨日よりもずっとスピードがアップしました。
「循環型森林経営に携わった実感を持った」、「将来に価値を生み出す大切な木材だと思って、丁寧に作業しなくてはと思いました」など、真剣に取り組んでいるからこそ実感できる感想を持ったようです。
4日目
これまでの場所とは違い、今回は森の生活の活動フィールド「美桑が丘」でのプログラム。
市民が利用できる場で、月に1度の「みくわの日」や、夏に行われる「森ジャム」の会場にもなっています。
ここの植生を回復させるための笹刈りを行いました。
森はすぐには変化しませんが、このように人が関わることで、3年後、4年後には草花の種類・量も増え、次の世代の樹木の芽吹きも促されることでしょう。
晩には、地元の方々を交えた交流会。
クラフト蒼さん、ソーリー工房さん、薪屋とみながさん、フプの森さん、そして美桑が丘で活動するみんなのたまり場グループのみなさんに、日頃の仕事や活動について発表いただきました。
これまで触れたことのない価値観、建前のない、本音で仕事に携わっている方々の言葉は、とても刺激になったようです。
5日目
いよいよ最終日。
最終日は、公民館で研修を行い、一同、帰路につきました。
みなさん、日に日に顔つきが変わり、仲間とのコミュニケーションも増え、これからの仕事に向けて大きな一歩を踏み出す力を得てもらえたように思います。
森林をはじめとする自然や、地域の持っている力を、私自身、改めて感じることができました。
↓名寄新聞にも掲載されました!
今回ご縁をいただいた皆さんが、ご自身の地域で、大きく羽ばたかれることを、心より願っています!
麻生 翼 (あそう つばさ)
愛知県名古屋市出身。大学時代に訪れた北海道の農山村に魅せられ、気づけば下川に流れ着いていました。下川は個性豊かな人々が多くとても面白い町です。のんびり田舎暮らしはどこへやら…な日々ですが、たまの休日は山菜採ったり渓流釣りしたり、ときどき狩猟したり、森の生活を満喫しています。代表です。