もりさんぽは年7回季節ごとの森を楽しむイベントです。
今年度第一回目のもりさんぽは「森の恵みとアイヌの暮らし〜オオウバユリのでんぷん団子を作ろう!〜」を開催しました。
今回は講師として、旭川の川村カ子トアイヌ記念館・副館長の川村久恵さんにお越しいただきました。
1日目
まずはみんなで森に行きオオウバユリを採取します。
講師の川村さんから「オオウバユリはアイヌ語で『トゥレプ』と言います。オオウバユリの花がつく方がオス、その周りで花がついていない葉っぱだけの方はメスです。花がついている方のオスには球根がなく、メスの方に球根があるので、そちらを取ってください。」と教えていただきました。
説明を受けたあと、みんなでメスを探します。
球根を傷つけないようにスコップで掘っていきます。
最初は目が慣れていない参加者の方々も時間が経つとだんだんと見つけられるようになりました。
鱗片1枚につき葉っぱが1枚ついているので、葉っぱの数が多い株はそれだけ球根も大きいそうです。
みくわが丘に戻って、いよいよ作業開始です。
まずは球根を綺麗に洗って、鱗片を1枚ずつバラバラにします。
バラバラにした鱗片の虫食いや傷んでいるところを丁寧に取り除いたら、すり潰していきます。
アイヌでは杵と臼を使ってすり潰していきますが、日本のお餅つきの杵と臼とは形状が違うそうです。
ここでは、お餅つきの臼と麺棒で代用したり、すり鉢とすりこぎ棒を使ってすり潰していきます。
このすり潰したものを樽に入れ、水を入れてアク抜きをします。
本来ならアク抜きや発酵まで1週間程度かかるそうです。
(今回は時間の関係上、発酵させずに1晩で終わるようにしていただきました。)
2日目
まずは山の神様に感謝の言葉を伝えてお酒を捧げました。
そのあとは、夜のうちに何回か水換えをしたものを晒で漉していきます。
樽の底に残っているものが一番粉。この一番粉は整腸剤などの薬として使っていたそうです。
晒に残った繊維をもう一度水に入れて二番粉を取ります。
こちらは餅粉と混ぜて団子にしていたそうです。
さらに残った繊維は円盤状に成形、乾燥させて保存食にします。
今回はこの繊維の方を餅粉や米粉と合わせて団子にしました。
2日間の作業を通して、参加者の方からは「『食べる』って大変だなと思った。」「もっと自然に対して感謝しようと思った。」と感想をいただきました。
作業の合間にはオオウバユリの球根を潰すときに唄う歌や、他にも童謡、昔から伝わるお話しなども教えていただきました。今まで知らなかったアイヌ民族の暮らしや考え方、文化を知ることができ、とても勉強になりました。
講師の川村久恵さんをはじめ、 ご参加いただいた皆さまと素敵な時間を共有することができました。ありがとうございました!
(ながお)